【民間学童の魅力を発信】SNSの使い方で差がつく!学童の広報戦略とは

【民間学童の魅力を発信】SNSの使い方で差がつく!学童の広報戦略とは

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 学童保育所の需要が急速に高まる中、既存の公立学童だけでなく、様々な特色と強みをもった民間学童が選ばれる時代になってきています。多くの民間学童が、公立学童には無い独自の素晴らしいサービスやプログラムを展開していますが、どれだけ良い取り組みをしていてもそれを知ってもらえなければ利用者に選ばれることはありません…。

 そこで、民間学童が力を入れて取り組んでいくべきなのがSNS広報です!

 保護者が施設を検索し、比較検討をすることが当たり前になった現代では、SNSは「あると便利」なものではなく、安心や信頼を得るために、そして顧客獲得のために「必須な広報ツール」になってきています。
 SNSに投稿されている写真や動画、そこに添えられたスタッフの言葉は、保護者が学童を見つけ、選ぶ際の貴重な情報源となります。その学童に流れている実際の空気感や働いているスタッフの関わり方、こどもたちの表情など、ホームページの文章だけでは伝わらない多くのことがSNSから伝わってくるからです。

 本コラムでは、SNS広報の重要性から保護者が知りたい情報について、そして忙しい現場でも続けられるオススメの運用方法まで、分かりやすく解説していきます!


1. なぜ民間学童にSNS広報が必要なの?

 まず押さえておきたいのは、保護者の情報収集の習慣がここ数年で大きく変化しているという点です。かつて学童選びの手段は施設見学会や口コミが中心でしたが、最近はインターネットで検索をし、SNSで雰囲気を確認、そこで好印象ならば見学や体験を申込む…という動きが増えてきています。

 特に学童は「目に見えないサービス」。レストランならば料理の味、お店の商品ならば質、塾ならば成績…といったような分かりやすい評価軸がありますが、学童の価値は「こどもがどんな時間を過ごすことができるのか」や「こどものどんな成長を期待できるのか」、「こども同士やスタッフとどのような関係性を築くことができるのか」といった、外からは見えにくい数値化できない部分にあります。

 SNSは、まさにこの見えにくい部分にフォーカスを当て、保護者が学童のリアルな雰囲気を知るツールとしての役割を果たしてくれます。

 そして、保護者は複数の学童を比較する際、情報量が多く丁寧で見やすいSNS投稿がされている学童の方に自然と目が向きます。SNSが更新されていると「運営が安定している」や「こどもたちが大切にされている」といった印象が生まれ、学童の信頼性を支える重要な材料になります。そのため、SNSは集客ツールであると同時に、「安心と信頼を伝達する手段」としても欠かせない存在なのです。


2. 目的に応じて各SNSを使い分けよう!

 SNSと一言でいっても、特徴や向いている発信内容は大きく異なります。代表的な4つのSNSをうまく使い分けて効率的に情報発信をしていきましょう。

①Instagram
 SNS広報の主流はやはりInstagramになるでしょう。簡単な操作で写真や動画の投稿をすることができるため誰でも活用しやすい上に、学童の空気感を保護者へ分かりやすく伝えるのに非常に効果的です。こどもたちの活動や作品づくりの様子、学童の設備や雰囲気などが視覚的・直感的に伝わるため、保護者は「この学童の雰囲気、なんか良いかも」と一瞬で判断することできます。
 ストーリーズ機能を使えば、その日の小さな出来事やちょっとした裏側も気軽に発信でき、よりリアルな日常が伝わりますよ。また、リール動画を活用することでよりリーチを拡大・情報を拡散することも期待できますので、余裕があれば動画編集にもチャレンジして投稿してみると良いでしょう。

②X(旧Twitter)
 X(旧Twitter)は、短い文章でリアルタイムに近い情報を届けるのに適しています。活動の小さなエピソードを一言添えるだけでも、学童の日常が十分に伝わります。文章が中心なので写真がなくても投稿しやすく、働くスタッフの「ひとこと日記」として運用すると負担が少なく続けやすいSNSです。
 またInstagramに比べて拡散力が高く、地道に運用を続けていけば「バズる」可能性も大いにあります。

③YouTube
 YouTubeは、動画ならではの分かりやすさと見やすさ(保護者がアカウントを持っていなくても閲覧できるため)が大きな魅力です。学童施設内のレイアウトやスタッフの雰囲気、活動の全体像など、写真では伝えきれない奥行きとリアルさを伝えられるため、見学前の不安を軽減するのに非常に効果的です。一本の動画を丁寧につくれば長期的に視聴され続ける資産にもなります。ただし、動画を編集する労力は文章や写真だけの投稿に比べて大きく、継続的かつ頻繁にアップロードするのは難易度が高いといえます。

④Facebook
 Facebookは他のSNSと比較すると若年層のユーザーが少ないとされているものの、地域のコミュニティがFacebook内に構築されている場合もあるため、ぜひ余裕があれば取り組んでみましょう。地域活動の報告やイベントのお知らせなどとの相性が良く、一定数の保護者にはしっかりとリーチできる媒体です。なお、FacebookはInstagramとの連携が可能なので、Instagramの投稿をFacebookでも同時に投稿できるように設定しておけば運用の手間が省けますよ。

3. SNSで保護者が知りたい情報とは?

 SNSの投稿は、施設側が「見せたい」ものではなく、保護者が「知りたい」ものを中心にすることで大きな信頼につながります。

 保護者が知りたいのは、特別な行事の様子よりも、学童の日常の風景です。こどもたちがおやつを食べている姿や、自由遊びをしているときの表情、こども同士の会話の様子、帰りの支度をしている様子など、日常的な場面が保護者にとっては大きな安心材料になります。特に、こどもたちが自然に見せている表情は、学童の雰囲気や居心地の良さを充分に伝えてくれるものです。

 また、スタッフがこどもたちにどんな声をかけ、どんな距離感で関わっているかは、保護者にとって非常に大きな関心事といえるでしょう。丁寧に寄り添ったり、笑顔で言葉を交わしたり、困っている子にそっと寄り添ったりする場面が日々の投稿から感じられると、保護者は「ここなら安心して預けられそう」という印象を抱きます。活動の内容よりも、スタッフの関わり方そのものが学童の価値として強く伝わるのです。

 さらに、安全面への配慮を伝える投稿も欠かせません。ただし「安全に見守っています!」と言葉でアピールをするだけでは伝わりづらいため、学童施設内の環境設定やこどもの動線への配慮、教室の見守りの仕方などを写真や文章で自然に示していくことがポイントです。 

 そして、学童の活動では結果よりもプロセスを伝えることが大切です。学童は何かの点数を競ったり成果を追い求めたりする場所ではなく、こどもたちの非認知能力(=目に見えない力)を個々のペースで育んでいく放課後の居場所。工作物やイベントなどの完成形だけを載せるのではなく、試行錯誤している姿や友だちと協力している過程、うまくいかなくて悔しがる姿などを伝えていくことが重要です。こどもたちがどのように成長していくのか…というプロセスが分かると「わが子もこの学童で、こうやって成長していくのかな?」と保護者がイメージしやすくなりますよ。

4. 忙しい現場でも続けられるSNS運用のコツとは?

 SNS広報は辛抱強く継続していくことで効果が発揮されるため、いかにスタッフの負担なく習慣化できるかが鍵になります。

 まず写真は「いい写真を多く撮ろうとしない」方が続きます。毎日の活動ごとに良い写真を大量に撮影しようとすると、精神的にも物理的にも負担になりますよね。毎日数枚、ふとした瞬間に撮るくらいが最も続けやすい方法です。たとえばおやつの様子や自由遊びの時間、ちょっとした工作などは、保護者が求めている「日常が見えるふとした瞬間」のシャッターチャンスです。

 そして編集作業は、凝ったものや完璧なものを目指しすぎないことも大切です。まずは質より量。満足のいく出来では無かったとしても、継続的にどんどん投稿し続けることを優先させるべきです。編集に慣れていけば、短時間で質の高いものを作りあげられるようになっていきますよ。
 とはいえ、過度な焦りは禁物。SNSは便利ですが一歩使い方を間違えれば非常に危険なものです。この写真はSNSに掲載して良いものか、こどもたちの顔にモザイク処理はできているか(顔出しのまま掲載する場合は保護者と本人の許可を取っているか)、この文章で投稿して問題ないか…気をつけるべき点をあげればキリがありません。編集してから投稿するまでのフローは複数人で担当・確認することを習慣化しておくと安心です。

 投稿作業については、予約投稿を活用すると一気に効率が上がります。手が空いている時間帯に数件の投稿をまとめて作り、決められた時間に自動で投稿されるように設定しておけば、現場が忙しくても滞りなく更新できます。活動が多い日は写真を複数撮っておいて、小分けにして数日分の投稿にする手もあります。

 また、一つの活動を複数のSNS用にアレンジすることで、作業の手間を減らせます。Instagramには写真中心・雰囲気重視の投稿を載せ、Xではスタッフの裏話や一言感想を添える形に変え、YouTubeでは短い動画にまとめると、同じ活動でも複数の投稿ができ、コンテンツが自然に増えていきます。


まとめ

 SNSは、民間学童にとって単なる宣伝手段ではなく、保護者が安心して施設の問い合わせや見学に踏み出せるようにするための、重要なコミュニケーションツールです。情報があふれる時代だからこそ、日常の一コマやスタッフの関わり方を丁寧に発信することで、学童の価値は確実に伝わっていきます。

 SNSをしっかりと活用できている学童ほど、保護者から好印象を持たれ、結果として「安心で選ばれやすい学童」になります。写真や文章の上手さよりも、こどもに丁寧に寄り添う日常を誠実に伝えることを意識しながら、ぜひ積極的にトライしてみてください。

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